百万年の船

はじめは宇宙人とのファーストコンタクトについて私の理科の知識を総動員して超真面目に空想しています。その後、空想の幅が広がりました。

ミクロを集めるとマクロになるのか 第1回

景気とは何だろう

 景気が気分の問題だとしたら、世の中の経営者は何といういい加減なことを基準に判断しているのだろう。

 某証券会社の年頭オンラインセミナーを見たら、その証券会社の偉い人が「ウサギ年の特徴は株価が跳ねることです。」と堂々と言っていた。前回のウサギ年は12年前でした。12年前に起きたことが今年再現される根拠はなんでしょう?これだから株屋はうさん臭いイメージがつきまとうのです。

 余談ですが、AI(Bing)に「ウサギがぴょんぴょんはねる図が欲しい」とリクエストしたら下の図が送られてきました。

ウサギがぴょんぴょんはねる。画像 3/4

個々と全体

 農業は斜陽産業のイメージですが。斜陽とか新興とかに分類分けすること自体が不適当だと思います。なぜなら農業は食料を生産する産業であり、食料は人類の生存に必須ですから、農業は滅びてはいけないのです。こう言うと何か悲壮感とか義務感が漂ってきますが、実際に元気のよい農家と会ってみると、そんな悲壮感はありません。彼らが持つ農業機械の総額は2千万円以上しますし(この高価格は問題ありですが)、自家用車がBMW325だったりします。(小さいけれど立派に高級車です。)つまりミクロで見るとそんなに悪くない事例がたくさんあります。ところがマクロでみると農業人口も耕地面積も減少傾向なので農業と言う産業は下降線で表現されてしまいます。

 ミクロを積み重ねるとマクロになります。一つや二つのミクロ事例でもってマクロを語ってはいけないと思います。しかし、一つ二つのミクロ事例は事実なのですから無視してはいけないと思います。時々 何が真実だかわからなくなるのはこんなことが理由だと思っています。

 

マクロ経済学に「国」と言う言葉がたくさん出てくる不思議

 デフレ脱却を目指してたくさんの政策を打ち出した日銀の方々はマクロ経済学のプロだそうです。ところがその政策と結果が微妙にズレました。確かに新型コロナとウクライナ戦争は彼らにとって不幸な想定外だったでしょう。しかし、私は簡単な疑問を持ちました。デフレ脱却とは人工インフレを引き起こし、それによって物価を上げることです。しかし、日本の物価が上がれば「人々は外国から安い品物を買ってこようとする」はずです。つまり、日本の国内だけで経済は完結していないのです。

 おそらく海外との関係は為替というファクターとして経済学に反映されるのでしょう。しかし、そればかりではないような気がします。 

 「国」と言う単位を飛び越えた地球規模の「グローバル・マクロ経済学」のような考え方が必要になると思います。そんなこと既にやっていると言われる方々も多いと思いますが、論説は相変わらず「国」が単位です。

 

 なぜ今はインフレだと言わないのだろう

  現在の日本ではインフレが進んでいます。このことは政府と日銀が望んでいた事態だと思います。なぜなら貨幣価値が下落すれば政府が抱えている借金の価値も下落するからです。しかし、彼らはそれを発言することはないでしょう。なぜなら、自民党政権の基盤は高齢者・年金生活者であり、貨幣価値の下落は年金の価値下落に直結するので、高齢者・年金生活者には不都合です。自民党政権は自らの支持基盤の人々に不都合な政策を堂々と行っているのですから、それを明らかにはしたくないのです。

 

 お金をたくさん使う人が偉くなる世界

 政治家でも官僚でも予算をたくさん取ってくる人、予算をたくさん使う人が優秀だと言われます。もちろん予算を取ってきて使うには理屈を考えなければなりません。お金をたくさん使うためにうまい理屈を考えられる人が優秀と評価されるのです。

 アベノミクスはこの政治家と官僚の文化をとことん活用しました。補助金を大量にばらまき、その財源として国債を大量に発行し、そのほとんどを日銀に買わせました。国債を日銀が買うということは、日銀がお金を刷って政府に渡しているのと同じことです。流通するお金の量が増えるのですからお金の価値が下がりインフレになります。それを彼らは「デフレ脱却」と言いました。

  野党は独自の経済政策がありません。お金をたくさんばらまきたいという意味において与党と野党の経済政策は同じなのです。だから野党は与党のあら探し、上げ足取りしかできません。しかし、財政再建と減税を主張する人など選挙には勝てないだろうなあ。なぜなら、選挙に行く人は日本人の50%前後ですが、その人々の中にはばらまいたお金の恩恵を受けている人が多いからです。

 

 時間が逆戻りしている

 John Lennonは「Imagine there's no country」(国家など無いと想像してご覧)と歌いました。あの頃は本当に、遠い未来になるでしょうが、いずれ地球に国境は無くなるだろうと思っていました。今はプーチンをはじめとする各国の指導者は国境を強固にし、さらに国境を拡大することに熱量を注いでいます。まずいことに各国の国民はそれを支持しています。

 Chat AIに国境のない世界の絵を描かせたら下のような絵をかいてきました。国境のない世界のイメージ