百万年の船

はじめは宇宙人とのファーストコンタクトについて私の理科の知識を総動員して超真面目に空想しています。その後、空想の幅が広がりました。

ミクロを集めるとマクロになるのか 第2回

 聖武天皇は飢饉対策として大仏を建造した。

 現代の人々は食糧が不足しているのなら食糧を増産すればよいと考えるはずです。しかし、古代の指導者は大仏を建造し仏に祈ったのです。同様に古代イギリス人は食料危機への対策としてストーンヘンジを作ったと言われています。巨大な建造物を作るほどの知能を持った人々が危機に対してびっくりするほど見当はずれな対処法を行ったということです。

 古代人の無知を笑うのは簡単です。我々が考えるべきことは、我々も同じような見当はずれをしていないか、思い込みをできるだけ排除して考えることだと思います。

 この絵はBing AIが描いた大仏とストーンヘンジです。

 経済成長が無条件に良いことだと ”今は” みんな思っていますが

 古代では大仏建造やストーンヘンジが民を救うことだと本気で考えられていました。現代にはそのような見当外れは本当にないのでしょうか。

 ひょっとしたら経済成長信仰、GNP拡大信仰を疑ってみる必要があると思います。この信仰の根源はブルーハーツの名曲「夢」の「あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい、もっともっと欲しい」に尽きます。要するに欲望です。

 日本の人口は減少します。世界を見渡しても人口が減少している国はだくさんあります。人口が減少するとGNPは減少します。一人一人がすごく働いてすごく金持ちになればGNPは増加するのでしょうが、たぶんそうはならないでしょう。その時 日本はもうおしまいだと考えていいのでしょうか。

 GNP拡大信仰が現代の大仏建立かもしれません。人口が減少してもGNPを拡大しなければならぬとしたら相当な無理をすることになります。固定観念を捨てられる指導者たちがどれだけいるか。それで国の将来が決まると思います。

 これはBing AIが描いた「大仏と経済成長」です。

大仏と経済成長の絵

 人口の減少は人類という生物の防御本能かもしれない。

 化石エネルギーの枯渇、地球温暖化による気象変動と海面上昇、暗雲が先に見えています。ほとんどの人はそれをしっかり見ようとしません。しかし、モヤッとした不安として誰もが持っていて、それが子供を産まないことの隠れた心理的要因になっているのではないでしょうか。人口が減少すれば化石燃料の消費も減り、地球温暖化も止まるでしょう。そのことを誰も口には出さないけど、誰もが心の奥底で考え続けているとすれば、それが人類という生物種の本能ではないでしょうか。

 

 人口が減少しても、経済が縮小しても、一人一人が幸せであれば良い。

 人は金持ちになることを目指しているのではなく、幸せになることを目指していて金持ちになることはその手段の一つにすぎません。同様に国は良い国になることを目指すべきで、強い国、大きな国になることはその手段にすぎないはずです。